1995年は北海道に通い続けた年で、2月、5月、7月、10月に続き、年末にも真冬の北海道に旅立ちました。スキーを含め、この旅で既に10回目の北海道となり、回を重ねる毎に旅立つ前の気持ちの高ぶりも次第に少なくなっていることを感じ、この旅ではそれまでの旅では経験のない新鮮さを求め、真冬の雪中キャンプを行うため、ザックにキャンプ道具を詰め込んで出発しました。
期間は仕事納めの12/28から1/4までの8日間。会社から直接京都府舞鶴港へと向かい、夜中出港のフェリーで北海道へと渡りました。約29時間の船旅の後、12/30の早朝小樽に上陸。ここからは特急自由席が乗車可能なJRの周遊券を利用して、道内を移動しました。札幌を起点に、日替わりで函館、稚内、網走、釧路、根室、美瑛、富良野などを巡りました。
96年の元旦の早朝、稚内駅に降り立ち、バスを利用した宗谷岬への初日の出ツアーに参加。ツアーの名前とは裏腹に、数m先も見えない猛吹雪の岬を体験しました(写真1枚目)。この旅の最大の目標だった雪中キャンプを実行に移せぬまま、道内の主要都市を結ぶ夜行列車で寝る日々が続き、
「これではダメだ!」
と旅の後半、意を決して美瑛駅からてくてくと重い荷物を背負って1時間以上雪道を歩き続け(写真2枚目)、夕陽に赤く染まった旭岳(写真3枚目)を見渡せるかしわ園キャンプ場(現在はキャンプ禁止)で初めての雪中キャンプを強行しました(写真4枚目)。夕食の後には、コンロでお餅を焼いて一人正月気分を味わい(写真5枚目)、初めての雪中キャンプを楽しみました。このキャンプのために直前に購入したダウンシュラフ(羽毛寝袋)やお酒のおかげか、心配していた寒さはそれほど感じることなく眠りにつくことができましたが、明け方近くに地面から伝わる猛烈な冷気(寒いというより痛い)で目覚めてからは、体がガチガチと震え、再び寝入ることはできませんでした。温度計は-10℃以下を示し、枕もとにあった濡れタオルは完全に凍りついて棒のようになり、貴重な体験をさせてもらいました。
今から10年以上も前の、まだ独身で若かりし頃の旅を思い出し、
「もうこんな旅はできないだろうなぁ・・・」
と思うと寂しい気もしますが、
「今度はいつか北海道と言わないまでも家族で雪中キャンプなんかできたら最高だろうなぁ。」
とふと考えてしまいました。