ふらのさんブログ

ツーリング/旅、植栽/ガーデニング、DIY、スウェーデンハウス建築記録と共に、日常の生活を綴っています。

旅の写真から ~その14 前編~

 1998年に結婚して以降、ツーリングはおろかバイクにもほとんど乗らなくなってしまいました。バイクはマンションの階段下の雨の当たらない場所でシートを掛けたままの状態になり、たまにエンジンをかけてみるものの、どんどんバイクの調子は悪くなり、バッテリーはあがり、ガソリンタンク内には錆が出て、ついにはエンジンがかからなくなってしまいました。一度はバイク屋に持ち込んでオーバーホールをしてもらったものの、その後もバイクに乗るペースは増えなかったので、再びバイクは不調になってしまいました。そしてついに、バイクに乗らなくなって5年目の2002年の夏、調子の悪くなったバイクを見ていると何だかかわいそうな気持ちになり、またこれからもずっとバイクを維持する気力や自信がなくなってしまい、10年間所有し、いろいろな旅の場面を共有したバイク(ヤマハ セロー)を近所のバイク屋で買い取ってもらい、自分でもびっくりするほど簡単に手放してしまいました。
 でも、実際にバイクを手放してみると、何とも言えない寂しさが込み上げ、そして何よりも「結婚後も北海道ツーリング」という夢が遠ざかってしまったことが実感され、予想以上に落ち込み、自分にとってバイクという存在の大きさを感じました。そんな寂しさの中、ふと50ccのカブのことが頭に浮かび、ネットで検索したり、カブでのツーリング記録のホームページを読むようになり、どんどんと気分が高まる中、たまたま立ち寄ったバイク店で走行距離45kmのホンダ リトルカブの極上中古品を発見し、衝動買いしてしまいました。
 こうしてカブのオーナーとなった後、再びいつかツーリングに出かけることを夢見て、リアのキャリアを標準の小型のものから新聞配達用の大きなものに変更したり、股下やフロント部分にもキャリアを追加して、荷物を満載できるツーリング仕様に変更し、夢が実現できる時を待ちました。でも、夢は思い続ければいつか実現できるもので、翌年の2003年のGWに、妻の理解もあって6日間の東北ツーリングに出かけることができました。
 初めてのカブでのツーリングは不安がいっぱいで、東北(秋田)へは往復敦賀からのフェリーを利用することにしましたが、まずはフェリー乗り場まで無事のたどり着けるかが心配でした。制限速度は30キロ(メーターは60キロまで)で荷物は満載、耐久性も未知数で、どうなることかと思いましたが、かなり余裕をみて6時に妻に見送られて自宅を出発。車の流れに乗れず、すぐ脇をスピードを上げて追い越してゆく車に恐怖心を感じ、常にバックミラーを気にしながら走り続け、3時間半ほどかけて敦賀フェリー乗り場に到着しました。
 11時過ぎにフェリーは出港。甲板に出て海を眺めながら、約5年ぶりのフェリーの旅を噛み締め、こうして再びツーリングに出られた喜びを感じると共に妻への感謝の気持ちでいっぱいになりました。フェリーは夜、新潟に寄港後、翌日の早朝6時に秋田港に到着し、いよいよ2回目となる東北ツーリングが始まりました。
 秋田から海岸沿いのルートを北上し、まずは大潟村八郎潟干拓地に向いました。干拓地では北海道を思わせる広大な景色と一直線の道に感動しつつも(写真1枚目)、すぐ横を猛スピードで走り抜ける車に恐怖心を感じながら、緊張の走行が続きました。
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 初めてのカブでツーリングはスピードの遅い旅でしたが、天候にも恵まれ、のんびりした気分で途中何度も休憩しながらも着実に北上を続け、お昼前にはこのツーリングで楽しみにしていた黄金崎の不老不死温泉に到着しました(写真2枚目)。波打ち際にある露天風呂は噂通り最高のロケーションで、褐色の湯はちょっと熱くて足を入れるとヒリヒリするほど・・・。じっと我慢して温泉に入りましたが、泉質もよく効能もありそうで、「今度はいつか夕暮れ時に海を眺めて入リたい!」と思いました。
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 温泉の後もひたすら海沿いの国道101号の北上を続けると、途中急に視界が開け、残雪の岩木山が目の前に現れた時は感動しました(写真3枚目)。
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 岩手山を過ぎると、今度はいよいよ津軽半島へと入り、この日の目的地竜飛崎を目指してひたすらカブを走らせました。初めてのカブでのツーリングはどうなることかと思いましたが、スピードは出ないものの、噂どおりの高燃費でリッター50キロ以上走ることができびっくり!但し、タンク容量は4Lなので、走行150キロくらいを目安に給油が必要となり、岬の手前でこの日2回目の給油を済ませ先を急ぎました。竜飛崎へと通じる国道339号は、最初は海岸線の平坦なルートが続くものの、最後の20キロほどは「龍泊ライン」と呼ばれる山岳ルートへと急変し(写真4枚目)、バイクで走るには最高のワインディングロードですが、荷物を満載した非力なカブでは20キロですらスピードが出ず、最後はうなり声をあげながらも何とか16時過ぎに竜飛崎に到着しました。
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 この日の走行距離は250キロ。初めてのカブツーリングで、どのくらい走れるものかと思っていましたが、何とか暗くなる前にキャンプ場に到着しました。ただ、ここ竜飛崎では晴れているにも関わらず、強烈な風が海から吹き上げ、これまでキャンプを何度も経験した私でもテントを張るのを躊躇するほど・・・。結局、管理人さんの勧めもあって、大事をとってバンガローを借りることにしました(写真5枚目)。
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 予定通り無事に竜飛崎に到着し、荷物をバンガローに降ろした後、近くの灯台へ出かけてみました。ここからは周りの景色が一望でき(写真6枚目)、山々には強風を利用した風力発電のプロペラが何基も建ち、眼下に竜飛漁港が・・・。駐車場脇のおみやげ屋にタコを干してある風景が、何とも味があり、「本州の果てまでやって来た!」という実感しました。そして最後に、階段なのになぜか国道指定されている「階段国道」にも立ち寄り、東北ツーリング1日目を終えました。
 この続きは後編にて・・・
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